西村和雄『スローでたのしい有機農業コツの科学』


著者の西村さんと接点があった三柄という北海道の新規就農した人の持論がとてもよかった。

小生は、現在の資本主義経済というシステムに、どうしても馴染むことができません。なぜ、生きるために大量のお金が必要なのか。どうしても分かりません。お金が「嫌い」なのではなく、意味が「分からない」のです。この「分からない」という感覚は、きっと誰にも理解してもらえないでしょう。本当に、途方に暮れています。完全な社会不適合者であると、自覚しています。
小生の所得目標は、120万円です。それ以上、懐に入れるつもりはありません。貯金なんてないですし、する気もありません。年金も払っていないので、このままいくと悲惨な老後が待ってます(笑)。野垂れ死にするかもしれません。ですから、命がけで、自然の中で生きるための知識と技術を身につけ、自給自足の生活システムを作る必要があるのです。

さらにそういう生き方は、単に自分のためというだけでなく、地球と人類の未来そのものだという強烈な自負があるのです。原始生活に帰れ、ということではありません。小生の思い描く生活には、例えばフリーエネルギー技術など、最先端のテクノロジーも組み込まれています(まともな科学者の皆さん、がんばって下さい)。何よりその社会では、お金はたいして必要ではないのです。

世の中は変わり始めるまでが長いのですが、いったん変わり始めたら、もうドミノ倒しです。法律だって変わるし、ろくでなしの農協や役所だって改心します。その時期は、もう目の前だと思っています。その変化が少しでも早く訪れるように、できることからばんばん働きかけていきたいですね。*1

その人が就農当初すりきれるまで熟読したというのが本書。

有機農業のやり方の本だが、続編の『おいしく育てる菜園づくりコツの科学』のほうが同じ内容をより理解しやすくしたもののようだ。