湯浅誠『貧困襲来』

貧困襲来

貧困襲来

著者の湯浅誠という人は今年初めにネットカフェ難民のドキュメンタリー番組でインタビューに応じており、そこではじめて知った。それを皮切りに、日本の貧困状況についてのニュース番組の小特集などで、何度かTVで見た。

特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい
http://www.moyai.net/ の事務局長をしている。

現場での当事者の生の声を収集、一度はまると抜け出せないからくり、貧困者をあてこんだ各種「貧困ビジネス」の跋扈。
その多様で多彩な圧倒的事実の重みをもとにした貧困解消対策の提案。対処療法的、根本的解決両方を含む。

ジニ係数の話がなかったのはちょっと意外。

コピーを数箇所とる。


厚生労働省の平成14年所得再分配調査報告書によれば当初所得ジニ係数は0.4983、再分配所得(税金、社会保障給付を考慮したもの)のジニ係数は0.3812と過去最高の値になっています。
ジニ係数がゼロに近いほど平等な社会ですがもちろんある程度の競争は必要です。

一般的にはジニ係数が0.2潤オ0.3が格差が少なく安定した社会、0.3潤オ0.4が格差がある社会ですが競争という面からは好ましいこともあるとされています。

ジニ係数が0.4を超えるとかなり格差がきつい社会、0.5を超えると格差が大きく社会の歪みが許容範囲を超える不平等な社会です。


日本の当初所得ジニ係数0.4983はかなり不平等な社会ということになります。それを税金、社会保障給付によってなんとか0.3812にしているというのが現状です。

http://kakusasyakai.kateidesaien.com/?eid=314760 より

国別ジニ係数ランキング
http://www.nationmaster.com/graph/eco_dis_of_fam_inc_gin_ind-distribution-family-income-gini-index

日本は1993年に世界トップクラスだった24.3ポイントから2004年には38.1ポイントと大幅に悪化。